円高の理由

世界的なリスクが高まると日本の円が買われるという話があります。

しかし、これだけ借金まみれの国の通貨がリスク回避のために買われるというのはおかしな話です。

実はこのリスクが高くなると日本の円が買われるというのは何の根拠もない説明なんです。

この記事では、元金融機関勤務の私が円高のからくりを説明していきます。

そもそも円高とはどういう状況か?

今回の記事では円と米ドルの取引という前提で解説していこうと思います。

そもそも円高とは日本の円が買われて円の価値が上昇することです。

例えば、1ドル=100円が1ドル=120円になると円安といい、逆に1ドル=80円になると円高といいます。

100円が120円になるのに安い?、100円が80円になるのが高い?とややこしいことになりますが、今回の記事テーマとずれてくるので詳しい説明は別の記事で行いたいと思います。

米ドルよりも日本の円がほしいという人が多くなると、円高という状況が発生します。

なぜリスクが高まると日本円が買われるのか?

世界的に経済の先行きに対してリスクが高くなると、投資家がとる行動はリスク(価格変動)にさらされている資産を減らします。

(ちなみに、リスクにさらされている資産のことをエクスポージャーといいます。)

このリスク資産=エクスポージャーを減らすという行動が実は円高を招く引き金となっているのです。

低金利通貨を売って高金利通貨を買うキャリートレード

金利が0.1%でお金を借りて、その資金を1%の金利で貸し出せば差し引き0.9%の利益を得ることができます。

このように低金利の通貨で資金を調達し、高金利の通貨で運用することをキャリートレードといいます。

世界的に経済的なリスクが低い状況では、価格変動のある資産で運用を行った方が収益を得ることができるので、金利の低い日本円を高金利の通貨であるドルに交換するという取引が増えます。

世界的にリスクを取りやすい状況(リスクオン)の状況で日本の円が売られるのはそのためです。

しかし、今度は世界的にリスクが高まる(リスクオフ)の状況では今まで積み上げてきた円売りドル買いのポジションが解消されるため円の需要が高まり円高の状況となります。

これまで積みあがったポジションが多ければ多いほど、解消のエネルギーも大きくなります。

安全な資産である円が買われるは間違った説明だった

日本の円が安全だからリスクが高まると円が買われるという考え方は間違った考え方です。

正しくは、リスクが高まるとこれまでキャリートレードで積みあがったポジションが解消されるため円高になるということです。

結果は同じ円高というものですが、原因がことなると間違った投資判断を起こしてしまうことがあるので注意が必要です。